何者にもなれなかった20代
20代の頃、なりたかった職業に就き、忙しくしていたのにいつも心のどこかにぽっかりと穴があるように感じていた気がする。
自分なりにがんばっているのに、上手くいかない。
認めてもらえない。
周りの同年代の人たちは、大きな賞を取ったり、正社員になったりしていた。
私だけ、「何者」にもなれなかった。
「私は、こんなもんじゃない」
真っ暗な道を自転車をこぎながら帰る時、いつもそう思っていた。
それでも、仕事は楽しかったからがむしゃらにがんばった。
20代の後半には、「会社の中で必要とされる人になれた」と自分では思っていた。
だけど、子どもができて、育休復帰に失敗して、私は居場所を失った。
なんか、自分がもったいない。
会社を辞めてフリーランスになってからしばらくは、単価の決まった仕事を「ライター」として受けることが多かった。
1記事○○円。締め切りは○日まで。
忙しいのに、思ったほど稼げない。
これ、私がする仕事なのかな?
「私、こんなもんじゃない」
「本当の私は、こんなもんじゃないのに」
なんか、自分がもったいない。いつもそう思っていた。
「今まで生きてきた自分」を仕事にする
「自分はこんなもんじゃない」という思いは、大きな原動力になる、と私は思う。
でも、そこですべきことは、
「今とは違う自分」になることじゃない。
今までを全部リセットして、全く別の人間になることではない。
今の自分が足りないからと言って、何かを足すことでもない。
今までの自分に蓋をして、新しい資格を取ったり、何か全く違う世界に飛んでいこうとする前に、
「今までの自分」「今日まで生きてきた自分」をもっと大切に扱えばいいと思う。
何もないことなんて、絶対ないのだから。
今までや、今の自分を否定するのではなく、 何かを足して、別の人になるのでもなく。
「今まで生きてきた自分を丸ごと仕事にする」という選択肢もある。
その具体的な方法も、この本に書いています。
「私、まだ、こんなもんじゃない」
「オレ、こんなもんじゃない気がする」
「今のままでは、自分がもったいない」
そう感じる人、感じたことがある方に向けて書きました。
『今すぐ自分を売り出す1行を作れ』さわらぎ寛子著(大和書房)

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